【クラメット会得情報】
・アルセーヌ・ルパンは別名魔術師と呼ばれていることから、能力者の可能性が高い
・アルセーヌ・ルパンが狙うのは中級階級を中心にした悪い金持ちばかりで、労働階級が狙われたことはない
・リオ・クラメットのことを女王陛下は《家族みたいなものよ》といい、月一で二人っきりの会話をしている。その際は誰も近づけない
・インペリアル・イースター・エッグ《マリアの誕生》は"聖女の涙"によって花が咲くように、開かれる。花開いた時にピアノが置かれた部屋が現れる。そこでガブリエルの旋律を奏でれば死者が蘇るとリオ・クラメットが供述。つまり、リオ・クラメットは部屋に入ったことがあり、彼如くとても綺麗な部屋らしい
・アルセーヌ・ルパンと関連してることは分かっていないが、レオン・ダビエルって少年が金持ちのおじさんにより妹を亡くして、彼は毎日教会に祈りを捧げていたが新聞記者の男二人組により連れ去られたことが発覚。行方は知らない
【M.O.D会得情報】
・ハーマン・エイケンはロンドン警察の中でも腕利きとして有名であり、事件解決に導く時メガネをかける
・ハーマン曰く《僕は選択肢を間違えたことはない》とのことから、運命操作系能力者の可能性がある
・アルセーヌ・ルパンことレオン・ダビエルは煙突掃除屋の子ども。金持ちの悪趣味な男のせいで妹を失い、怪盗であった父は監獄にいる
・レオン・ダビエルの能力は【手品を手品道具なしで使え、魔法みたいに見せる】ことだと発覚している
・レオン・ダビエルは英国騎士団の副団長《チャド・エアリー》からお宝を盗むように指示されていた可能性が高い
・レオン・ダビエルは部屋を借りており、現在M.O.Dの屋敷にいるものの、あくまでメンバーではなく居候的立ち位置
・チャド・エアリーは18歳。労働者階級でありながら現騎士団長から推薦を受けて抜擢された。歴代騎士団の中でも"類い稀なる才能の持ち主"ということは判明している
・2年前の事件にて、女王陛下の間にて女王陛下の直属英国騎士団長ゼン・キートンは女王陛下に剣を向けた。副隊長ルイス=サリヴァンにて暗殺は防がれたが、捕獲することはできなかった。現在彼が何をしているかは分からない
【クラメット側報告書】
リオ・クラメットの書類より
今回狙ったお宝はインペリアル・イースター・エッグ《マリアの誕生》。……結論から言うと残念ながら我々はその宝を入手することができなかった。
報告者オーゼンによるとイタリア貴族リディア・ノエル・レイモンドはM.O.Dに所属するギャングであること、アルセーヌ・ルパンは子どもであったこと、幹部と思われる存在は重傷であること、もしかしたらロンドン警察に協力を仰げるかもしれないことだ。後から聞いたのだが、今回参加したのはオーゼン、シャーリー、ジェイムズ、エリザベス、ドロシー、玲亜だった。オーゼンとシャーリー以外はルイニーア侯爵の屋敷にコソ泥のように侵入してしまったらしい。更には自分の執事ジェイムズが嘘をついたこともあって、ロンドン警察もクラメットを一部きな臭いと思っていることだろう。いや、幾ら顔に泥を塗っていいとは言ったけど、流石に、これは、キツイ。どれだけの人物に謝罪と賄賂を渡さなきゃいけないかと考えると今から頭が痛くなる。いや、仕方がないのだが、部下達は頑張ってくるのだから。自分の指示が悪かったに違いない。今度から的確な指示が出来るように頑張らないと。
恐らくだが、M.O.Dはアルセーヌ・ルパンを手中に収めている。それは彼らは盗みのプロを手に入れたことと判断していいだろう。アルセーヌ・ルパンは今まで逮捕されたことのない怪盗だ。みんなには注意するように伝えておかなくちゃいけない。
……何よりも今回クラメットの痛手は幹部であった玲亜の裏切りだろう。彼は、7年間僕の側に居た人だ。無能力者故にメイン武器庫の情報も、クラメットメンバーの大まかな情報も、自分が使用した資金額についても、何よりも【自分(リオ・クラメット)の情報】を多く持ち合わせた人物だ。裏切ったということはM.O.Dに情報を流した可能性が高い。自分も注意はするものの、もしかしたら敵襲の可能性があることだろう。みんなは今まで以上に警戒を怠らないでくれ。尚、玲亜に関しては幹部降格をし、見つけ次第幹部の誰か若しくは、バージル・マーティンに渡す又は処分をするように。
頼りのないボスで本当にすまない。同志は不安でいっぱいだろう。せっかくのイースターパーティーも心から楽しめない状況にしたのは、しっかり玲亜の気持ちを汲み取れなかった自分に責任がある。裏切り者には死よりも恐ろしい苦痛を約束しよう。
……短いが、今日は疲れてしまった。すまないが今回の報告書は以上とする(所々何か水滴が当たったのか滲んだ文字が見られる書類だが、読めなくない)
【M.O.D側報告書】
アーガイルの手記より
今回奪った宝は《マリアの誕生》。それよりも重要だったのは怪盗アルセーヌ・ルパンこと、レオン・ダビエル。元煙突掃除人であり、壮絶な過去を持つ人物だ。彼の全面的な協力の元、俺達は《マリアの誕生》を入手したが、それと引き換えに少なくはない犠牲を払った。人的消費はほとんどないが、表社会、特に上流階級とのパイプの一部が失われたのは俺達としては大きな痛手だ。加えて、警察に素性がばれた者も多い。宝こそ手に入れたが、事実上の敗北といっても過言ではなく、今後の活動に大きな変更を加える事を余儀なくされた。しかし、嘆いてばかりじゃ始まるものも始まらない。現状で使えるカードを再度確認し、再び役を組んで次の勝負に備えなければ___
今回参加したのは、燕猫、オフィーリア・グッドフェロー、Mr.ファット、Auricula、リディア・ノエル・レイモンドの5人と協力者であるレオン・ダビエル。俺自身がまともに動けない以上は幹部の活躍に期待するところではあったが、“彼”がリディアの素性を緊急時とはいえ警察連中の前で明かしたのは流石に大目に見ることはできない。後に然るべき処分をすることにした。……ふざけやがって とはいえ、自身の表での身分を活かした探査やレオンの逃走を手助けした点は認めてやるべきなのだろう。ファットは相変わらず無茶苦茶やってくれたが、警官14人に加えクラメットマフィアの構成員1人を相手取って無傷で帰還したのは褒めるべきだろう。
それに、ヤツが警備の連中を何人か食っていたお陰で警備に隙を作ったという話も聞いている。今度肉でもおごってやろう。リディア、オフィーリア、Auriculaはレオンを保護しながらの活動だったという。リディアの権威があった事で屋敷の中へ侵入が出来た事を考えると、返す返すもそれが失われた事が悔やまれる。だが、レオンに関する情報の収集に屋敷内での探査、逃走時に馬車を先んじて手配していた点や燕猫逃走の幇助など、情報担当として申し分ない程、状況をよく読んだ仕事をしてくれた。オフィーリア、ヤツには陰ながら助けられたというべきだろう。持ち前の状況把握能力によって窮地を脱したという話やリディアと連携しても聞いた。
…レオンを自分の子供と発言していたという話は流石に驚いた……母親がいないあのガキには母親代わりになるヤツが居てもいいとは思うが‥‥それに関してはまた別の機会にでも考えることにする。Auricula、話ではリディアの護衛として振舞っていたらしいが、実際に護衛らしい振舞いをしていたという。当の本人から聞いた分だと、宛ら騎士(この部分には二重線が引かれている)救世主のように語っていた。あれだけの大騒ぎがあった中でリディアやオフィーリアが一人として死んでいなかった点はAuriculaの助けによる所も大きいのだろう。
結果としては、宝に関してはレオンのヤツに大きな借りを作った事になる。少なくとも俺達は対等ではなくなった。それに、宝に関する情報も十分に集めきれていない。だが、宝に関しての情報が全く得られなくなった訳でもない。そこに関してはオフィーリアに任せてある。ヤツなら確実に情報を手に入れてくる、と信じて待つことにする。レオンの勧誘に関しては現状では若干手詰まりだ。交渉材料が無さすぎるが、最後の切り札を切るにもまだ早い。時間をかけて絆していくしかないだろう。クラメットマフィアの能力者に関する情報は、多少は仕入れる事が出来た。流石に個人名と能力を合致させて把握するには至らなかったが…そこに関してはリディアが持ち帰った“手土産”に聞くとしよう